私立医学部を目指す受験生必見!医学部入試の小論文対策まとめ

私立の医学部を中心に、多くの大学では二次試験で面接や小論文の試験が行われます。
医学部受験生の中には、小論文に苦手意識を持っている人も少なくないようです。

そもそも、医学部入試ではなぜ小論文試験が実施されるのでしょうか?
また、どんな対策を立てておくべきなのでしょうか?
この記事では、医学部を目指す受験生がぜひ知っておきたい、二次試験での小論文対策について解説します。

医学部の小論文試験とは

医学部入試では、基本的医学部の小論文試験に学科試験の点数で合否はほぼ決まっています。
ただ、小論文は面接と併せて、医師として働くにあたっての人間性に問題がないか、適性の有無を見極める判断材料にするために行われるものなので、決して疎かにはできません。

小論文試験の出題方式とテーマ

小論文の出題スタイルは、大学によって様々です。
決められたテーマについて所定の文字数以内で自分の考えをまとめるもの、日本語の長文を読んで意見を述べるもの、英文読解など、出題内容は大学によって差が大きいのが特徴。

医学部入試で出される小論文のテーマは、医学・医療の話題が中心です。
例えば、人工知能の発達など最新の医学とテクノロジーについて、医療技術の進歩と人間の幸福など生命倫理に関する話題などが、過去にはよく出題されています。

他には、著名な哲学者や文化人の著書を題材にしたものや、世界情勢や社会問題について、また高度な自然科学系の英文といったものもあります。
受験する大学の出題方式やテーマの傾向に合わせて受験に臨むようにしましょう。

小論文試験の採点基準について

小論文の採点基準は、いたってシンプルです。
文章の基本構成ができているのを大前提として、文章の論理性を評価されます。

「〇〇だから××」という原因と結果を明確に書き、そこにズレがないかがポイントとなります。なぜそう考えるのか、自分の主張に対しての根拠をしっかりと示す必要があります。

読みやすく論理矛盾のない文章にまとめてください。
そのうえで重要になるのが、医療に携わる人間としての適性です。

いくら勉強ができても、道徳的に明らかな問題のある考えの持ち主であれば、医師には不適格だと判断されます。

医師として患者さんに向き合う際に、人としての温かさを持ち合わせていると感じられるような表現を意識しましょう。

小論文構成のポイント

小論文を書く時に大切なのは、基本的な書き方と医療に関する情報や話題の集め方です。
ここからは、小論文を書く際にぜひ押さえておきたい、文章構成のポイントと情報の入手方法について、具体的に詳しく解説します。

小論文の基本的な構成(流れ)

医学部受験に限らず、一般的に小論文の基本構成は「序論・本論・結論」という3つの流れになっています。

【序論】
序論は、これから書き進める話題(つまり本論)を展開するための、下準備という位置づけです。
小論文では、短い文章の中で自分の意見を明確に、論理的に述べる必要があります。そのため、序論は単なる「文章の導入」にとどまらず、まずは与えられたテーマに対して必要となる医療の話題や、そのテーマについての一般的な情報、見解を紹介するところから入ります。そして、序論の最後には、話題に対しての疑問や自分の立場を示します。

序論のコツは、医療関係者だけでなく世間で広く話題になるものを紹介すること。そこから先の文章につなげるために、紹介した話題と医療を関連のある話題を結びつけ、疑問を提示しながら自分の考えや立場をハッキリと述べましょう。

【本論】
本論でポイントとなるのは、序論を元にした自分の意見を明らかにすることです。
序論で紹介した話題と疑問に対して、自分が感じている問題意識や解決策、なぜそう考えるに至ったのかという根拠を述べる必要があります。
本論では、前半部分に問題意識を、後半部分には解決策を提示するという展開で書くのが一般的です。同じ話題についてでも、そこに抱く問題意識やその解決策は、人それぞれ異なりますよね。

自分の意見をわかりやすくまとめるためには、常日頃から情報に対していろいろな視点を持つ習慣をつけるのが大切です。
浮かんだ疑問や問題意識に対して、自分の考えを言語化する練習を重ねておきましょう。

【結論】
結論は、全体の締めくくりであり、書き手の立場を改めて明確にする場所です。
読み手の印象に残りやすい部分なので、ここで未来への前向きな姿勢や人間味が出せると、高評価を得やすくなります。
前向きかつ患者さんを思う姿勢を打ち出せるように心がけましょう。

論理性を出す場合の注意

文章全体に論理性を出すためには、自分の意見の元となる根拠を述べる必要があります。
根拠として示す情報は、出所が確かで信憑性のあるものでなければなりません。
論理性を保つためにも、普段から医療関連の信頼できる情報をタイムリーに集めて、知識として頭の中にストックしておくようにすると良いでしょう。

医療系の話題を入手する方法

医療系の話題を入手するには、医学部予備校や塾で医学部用の小論文対策の講座を受けるのが最適です。講師の先生から紹介される、出題頻度の高い医療トピックについて理解を深めておきましょう。

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市販の医療系小論文の参考書の中にも、医療系の話題について詳しく解説されているものがあります。私は、両親や兄からの情報にずいぶん助けられたと感じています。

時間に余裕のある人は、医療関連の専門誌を読むのもおすすめです。

まとめ

まとめ
*医学部の小論文試験は、医師としての人間性や適性の有無を判断する目的で行われる*小論文試験の出題方式とテーマは、医学・医療の話題が中心だが大学によって様々*採点基準は、文章の基本構成と文章の論理性*小論文に大切なのは、基本的な書き方と医療に関する情報や話題の集め方*小論文の基本構成は「序論・本論・結論」

医師としての適性を判断される小論文は、医学部の受験に欠かせない重要な試験です。慣れていないと太刀打ちできないので、この記事を参考にしっかりと対策を立てて臨んでくださいね。