どう対策する?現役医大生が教える医学部入試の面接対策まとめ

医学部受験では、学力試験の難しさばかりに意識が向きがちですが、二次試験で行われる面接も重要です。
実は、医学部入試では面接の結果だけで不合格となるケースもあります。

その一例が、京都大学です。京都大学では、面接試験の結果だけで不合格になることがある旨、募集要項に記載されています。
なぜ、そこまで面接を重視するのでしょうか?
この記事では、医学部の面接の目的と、面接でよく聞かれる質問、対策や基本的なポイントなどについて詳しく解説します。

医学部の面接の目的

そもそも、医学部の面接は、医師としての適性の有無を見極めるために行われます。
学科試験で合格点に届いていたとしても、面接で医師としての適性に欠けていると判断された受験生は、合格させないという厳しい姿勢の大学もあります。
また、個別面接または集団面接のいずれかを行うところ、両方を実施するところなど、大学によって形式は様々です。

入試の前にあらかじめ情報収集を行い、志望大学の形式に合った面接対策をしておく必要があります。
準備・リサーチ不足で悔しい思いをすることがないよう、しっかりと対策を立てておきましょう。

面接でよく聞かれる質問

医学部の面接試験では、どのような質問をされるのでしょうか?
ここからは、面接でよく聞かれる質問と解答例について紹介していきます。

医師を志望する理由

面接で必ず聞かれる定番の質問が、医師を志望する理由です。
「人の役に立つ仕事をしたい」という主旨の回答をする受験生が圧倒的に多いですが、それだけではあまりにも当たり前すぎて、印象に残りません。
その他大勢の一人として埋もれてしまい、プラスの評価を引き出すのは難しいです。

自分自身や家族が医療で救われた実体験、生まれ育った地域の医療事情など、医師になりたいと考えるようになったきっかけやエピソード、医師としてどのような形で社会貢献していきたいのかなど、具体的に答えましょう。

志望校を選んだ理由

志望校を選んだ理由もよく聞かれます。国公立か私立かに関わらず、大学には設立の経緯や理念があります。
また、アドミッションポリシーとして求められる人材が提示されています。
受験生がアドミッションポリシーに合った人材かどうかを判断するために、大学の志望理由を尋ねられるのです。

回答例としては、「地域医療に興味があり、卒業後はこの地域の医療に貢献したい」、「卒業生としてご活躍されている〇〇先生と同じ大学で学びたかった」など、他の大学ではなくその大学でなければならない理由を必ず盛り込んで伝えるようにしてください。
より具体的に回答するためには、オープンキャンパスに参加したり、先輩の話を聞くなどして、丁寧に下調べすると良いでしょう。そうすれば、説得力のある回答ができるはずです。

入学後の計画について

入学後の計画や卒業後に希望する進路についても、よく尋ねられます。
医学部での6年間でどのような学生生活を送り、どんな研究活動をしていきたいのか、将来目指している診療科目など、具体的な計画を話すことで目的意識や学習意欲が伝わります。

勉強だけでなく、部活動について触れるのも良いですね。

目指す医師像について

どんな医師になりたいのかも、面接ではよく出る質問です。
実在する医師、あるいは漫画やドラマに登場する架空の人物など、自分が憧れて理想としている人物がいれば、その名前を挙げながら話すと伝わりやすいですよ。

面接の対策方法・ポイント

面接でよく聞かれる質問については、イメージできたと思います。ここからは、面接全体の対策方法や押さえておきたいポイントをお伝えします。

面接官の採点基準を把握する

面接対策でまず知っておきたいのが、面接官の採点基準です。
一般的な面接ではどのような点が評価されるのか、予備校の対策講座や市販されている面接の参考書などを活用して、ひと通り把握しておくことが重要になってきます。挨拶、敬語の使い方、立ち居振る舞い、年長者へのコミュニケーションの取り方などが主な基準です。
あとは、志望校が公開している採点基準があれば、併せてチェックしておきましょう。

緊張しないように心がける

面接試験では、個々人のコミュニケーションスキルに対しての評価が大きな割合を占めます。
試験官から聞かれた質問に対して、適切な回答ができるかが重要になります。
緊張しやすい人とそうでもない人の個人差はあると思いますが、大事な入試ですから誰しも普段より緊張するのは当然です。
頭が真っ白になって、思っていることがうまく話せなくなるかもしれません。
そのような事態に備えて、あらかじめ緊張した時にはどう対処するかを考えておくと安心です。

志望理由や医師を目指す理由については、丸暗記しない方がいいですよ。
もし、試験中に緊張して何を答えるつもりだったか忘れてしまったときに、さらに緊張感が増してしまいパニックになる恐れがあるからです。
暗記するのではなく、自分の言葉で自然に答えられるように準備しておくことが大切です。

緊張をしているときには、まず答えやすい内容から話し始めるのがコツ。
自分を良く見せようと背伸びすると、余計に緊張感が増してしまいます。
等身大の自分で、素直に答えることを心がけましょう。

家族や友人に協力を依頼して、よく出る質問をしてもらい、その質問に答えるスタイルで模擬面接を経験しておくのがおすすめです。

身だしなみに気を付ける

身だしなみは、医学部入試に限らず、どのような面接であっても誰もがチェックするポイントです。
現役生なら学校の制服を着用でOK。髪や爪もきちんと整えて、清潔感が感じられる身だしなみを意識してください。

浪人生の場合は、ダーク系カラーの無地のスーツに、黒か茶色の靴を着用するのが無難です。

当日になって初めて着るつもりでいると、思いがけないアクシデントが起きるかもしれません。
ある程度は着慣れておく方が、落ち着いて面接に臨めますよ。

まとめ

まとめ
*医学部の面接は、医師としての適性の有無を見極めるために行われる
*面接でよく聞かれる質問
・医師を志望する理由
・志望校を選んだ理由
・入学後の計画について
・目指す医師像について
*面接の対策方法とポイント
・面接官の採点基準を把握する
・緊張しないようにシミュレーションしておく
・回答内容を丸暗記しない
・身だしなみを整える

医学部入試での面接は、しっかりと対策を立てることで高評価を得ることができます。
定番の質問だけでなく、時には想定外の質問をされることもあるかもしれませんが、背伸びせずに自然体で話すことを意識していれば大丈夫です。
この記事を参考に、念入りに準備して臨んでくださいね。