医大生は留年しやすいのか
医学部に入ってから起きる問題の一つが留年です。
受験生の皆さんは意外に思われるかもしれませんが、実は近年、医学部の留年者が増加傾向にあります。
これには、「2023年問題」と呼ばれる事情が大きく関係しています。
■「2023年問題」とは…
日本を含むアメリカ国外の医学部卒業生がアメリカで臨床研修(レジデンシー)を受けるためには、2023年以降は世界医学教育連盟(WFME)が認定した医学部の卒業生でないとアメリカの外国医学校卒業者認定機関(ECFM G)の認定を受けられないとされたことから生じた問題。
また、医学部は他の学部・学科とは違って、必修の科目ばかりなので、一つでも単位を落としてしまうと留年というケースがあります。
他にも、医師国家試験の合格率を高めるための厳しい指導などが要因になっている、とも言われています。
いずれにしても、医学部受験に合格したら誰もが簡単に卒業できる、というわけではないのです。
国公立・私立別留年の可能性
医学部の中でも、国公立と私立とで留年の可能性に差はあるのか、気になりますよね。
傾向としては、私立大学の医学部の方が留年する可能性が高いと言えます。
国立大学の医学部では、最低修学年数でで卒業する学生がほとんどです。
一方、私立大学の医学部では、留年する学生の割合が高いものの、国家試験の合格率に関しては全国平均よりも大きく上回る医学部が存在しています。
医師国家試験の合格率が低ければ、大学の医学部の資質そのものを疑われます。
そのため、国家試験に合格できそうにない学生については、おそらく容赦なく留年させる仕組みがあるものと考えられます。
留年した場合どうなるか
医学部で留年した場合、最も問題になるのが費用面です。
特に、私立の医学部ではもともとの授業料が高額ですし、親元を離れて一人暮らしをしているのであれば、生活費もかかるのでなおさらです。
1年間の学費や生活費が余分にかかってしまうのは、とても大きな負担となります。
気持ちを切り替えて馴染むことができなければ、中途半端に時間を持て余して、モチベーションが一気に下がってしまうかもしれません。
一人前の医師になるには、最短ルートでも卒業までに6年間、そこから研修医として最低でも2年間かかるところ、留年でさらに年数がかかるのはつらい話ですよね。
まとめ
*医学部の留年は意外と多い
*私立の方が留年しやすい傾向がある
*留年のデメリット
・余分な費用がかかる
・後輩に混ざっての生活に馴染めない
・一人前の医師になるのが遅れる
あらゆる学部の中で最難関とされる医学部に合格し、晴れて医大生となった後、まさか留年の心配をしないといけなくなるなんて、思いも寄らないことかもしれません。
でも、油断は禁物。留年のリスクは大きいからこそ、そうならずにストレートで卒業できるよう、真面目に勉強するのが何よりの対策です。私もあと2年、頑張ります!